赤で黒を白を
―――弔いの音がする。
空気には質量がある。
日常では忘れているそんなことを、計ったように思い出させるのは決まって親しい人の死であったり、親しい友の死であったり、愛したものの死だ。酷く重苦しく躰を覆うくせに眼には見えない。
「さようなら、ボンゴレ九世」
父と呼ぶには衒いが勝った、祖父というには躊躇いが。最後まで彼への呼び名を変えることは出来なかった。記憶の彼方からやって来る慕わしさは胸に留めた。
綱吉は耳朶に下がる、こっくりと黒い闇を凝らせたようなジェットに触れる。
葬送の場に、ぶつりと場所には似合わぬ生々しい音がし。
当代のボンゴレは片耳から血を流して立った。非難の声は素通りしてゆくだけでなんの意味も為さない。
「血が、穢れだというのなら、それこそを貴方に」
ピアスの金具には赤い血が、黒い貴石にもぽたりと落ちた。
白百合に埋もれた屍にそれは酷く、似合いだと。
本誌への抵抗…のような捏造未来系sss。
以下ネタバレあり
いや死ぬと思ってないっていうか死なないよね九代目。もしも最初の殺しにそんな十字架背負った日には号泣せばいいのか妄想せばいいのかネタにしたらいいのか…(うおい)とにかく綱吉に胸が痛いんだ!という叫び。
2006/11/25 LIZHI
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